バイリンガルへの道


「海外子育て」「バイリンガル子育て」という言葉に対してみなさんはどのようなイメージを持つでしょうか?

日本で暮らしている方であれば、「国際的でカッコいい」というポジティブなイメージを抱くかもしれません。でも、実際にハワイでバイリンガル子育てを実践している家庭からは「大変」「不安」「ストレス」「重荷」といったネガティブな声ばかりが聞こえてくるのです。

もちろん日本でも、いや、世界中のどこに暮らしていても、子育ては大変な仕事です。お母さんは日々悩み、迷い、とまどいながら子どものためにベストを尽くそうとがんばっています。しかし、子育ての場が海外となると、お母さんの抱える不安やストレスはさらに何倍にも増大するのです。

お父さんのサポートが大切!

日本であれば父母、兄弟・姉妹、親戚、友だちなど、子育てで困った時、悩んだ時に頼れる人がたくさんいます。しかし日本から遠くはなれたハワイでは、相談できる相手は少なく、多くの場合、お母さんが自分の力で問題を解決していかなければいけません。
そんなお母さんの不安やストレスの影響は幼い子どもに及んでいきます。お母さんが情緒不安だと子どもの情緒も不安定になります。お母さんの心の動きは、そっくりそのまま子どもの心に連動するということをぜひ知ってください。
海外子育てにおいて必要なのがお父さんのサポートです。日本では「亭主元気で留守がいい」なんて悪口を言われるお父さんですが、海外子育てでは多いに活躍してもらいたいのです。お父さんの育児や家事へのサポートはお母さんの不安やストレスを軽減し、それが子どもへの良い影響となって伝わっていきます。

バイリンガル教育の担い手はお母さん

育児に加えてお母さんに課せられる大仕事が「バイリンガル子育て」です。ハワイで暮らすお母さんにとって「バイリンガル子育て」は「選択」ではなく「必修」です。小学校入学までの六年間で子どもがアメリカの学校教育についていけるレベルの英語力を身につけさせなければいけません。
「海外に住めば自然とバイリンガルに育つのでは?」と簡単に考えてはいけません。ハワイで子育て中のお母さんの悩みで一番多いのが「子どもの英語力」の問題なのです。現地の学校で困らないレベルの英語力を子どもに与えるには、家庭でのサポートが必要です。
さらに、英語だけでなく、日本語教育も考えなくてはいけません。子どもにしっかりとした母国語を与えることは、第二言語である英語の発達に大きな影響を与えます。また、将来子どもが日本語を失うことを防ぐためにも、乳幼児期の日本語教育は不可欠なのです。

難しいから価値がある

ここまで読んでいただいた方は、海外子育ては、お母さんにとって負担ばかりで明るい話がないと思われるかもしれません。しかし、困難な中でも立派に素敵な子どもを育てている、素晴らしいお母さん方も、また、大勢いることも知ってください。このお母さんたちの話を聞きますと、気楽な環境での子育てでないだけに、子どもを心から大切な存在として、大きな愛情で育てていると強く感じます。
何ごとでも、やすやすとできることには大きな価値はありません。考えに考え、実行に実行を重ねて努力し、やっと成功させたことにこそ貴重な価値が生まれるのです。海外子育てほど、お母さんが、子どもに対する真の愛情と知恵を要求され試されることはないのではないでしょうか。
そして、お母さんの大きな愛によって育てられた子どもたちは、その才能を大きく開花させ、様々な分野において、世界を舞台に活躍していくことでしょう。

バイリンガル子育はノウハウとコツ!

現代は一見、必要な情報が簡単に手に入るように思えます。しかし、海外子育てやバイリンガル教育という、日本人にとって比較的新しい分野については、知識や経験を共有できる場が極めて少ないのです。
バイリンガル育児は、ノウハウとコツさえ知っていれば決して難しくはありません。適切な時期に、適切な方法で、適切な環境を与えればよいだけなのです。後は子どもの生来持つ能力に任せておけば、スクスクと高度なバイリンガルに育っていきます。